現在の心臓血管手術のリスク評価は年齢や基礎疾患の有無による評価が中心である。近年、加齢に伴う全身の脆弱性やサルコぺニア(筋肉量・筋力の低下)が心臓血管術後予後に影響することが注目されている。しかし、サルコペニアは通常の手術リスク評価には含まれていない。本研究では術前サルコペニアが心臓・大血管術後の予後に及ぼす影響の解析に取り組み、以下の結果を得た。 ①心臓弁膜症手術患者において術前CTの腸腰筋面積からサルコぺニアの有無を診断し、サルコぺニア群では有意に術後遠隔生存率が低いことを示した。 ②サルコペニアと関連のある低栄養や全身の脆弱性が術後リハビリの進行に影響することを報告した。
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