今後の研究の推進方策 |
因子X導入細胞株において細胞と腺癌細胞株(A549, H441, H358)と比較する。特に、癌の転移能や浸潤能を獲得するとされるEMTのマーカーを中心に、増殖因子などの遺伝子発現や産生量 (RT-PCR, ELISA) を測定し、さらにWestern blotting法によって、発現量に変化を認める蛋白を同定する。あわせて増殖能 (WST-1アッセイ系) ・遊走能 (スクラッチアッセイ系) を解析する。これらの方法により、細胞に導入された遺伝子が細胞周囲微小環境に与える機能変化や蛋白発現を解析する。さらに当院での豊富な臨床検体を用いて、AAHを有する症例とそうでない症例の肺癌切除標本を免疫染色することで、既述した実験によって同定した蛋白や因子Xの発現を解析し、AAHと正常組織や浸潤癌病変の違いを解析する。今回の研究期間を含めて10年間分のパラフィン固定標本においても同様の免疫染色を行い、再発率や5年生存率とあわせて解析することで予後予測因子の有無について解析する。
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