研究課題/領域番号 |
17K16609
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
河北 直也 徳島大学, 病院, 助教 (60522266)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 肺胞上皮細胞 / 幹細胞 |
研究実績の概要 |
まず研究の初期段階である,胎齢15日・17日・19日・生後0日・7日のラット肺組織を用い,ラット肺組織におけるbipotential細胞の局在を免疫蛍光染色にて同定を試みている. Bipotencial細胞はPdpn(I型肺胞上皮細胞)およびSftpc(II型肺胞上皮細胞)が共に陽性である細胞である.今回まず正常肺でのBipotential細胞の局在を確認するために,H-E染色とともに,Podoplanin/Sftpc陽性の二重染色を試みた.その結果,I型・II型それぞれの細胞の肺胞壁における局在・分布像は確認することができたが,現時点ではBipotential細胞の局在をとらえられなかった.これは,Bipotential細胞が正常肺では極めて少ないことに起因していると考えられ,ほぼ予測された結果であった.しかしながら,一次抗体の変更や,濃度調整を行い,引き続き検討している.その上で,分化・増殖の旺盛な胎仔肺組織を用いて染色を試み,Preliminaryではあるが,Bipotential細胞を確認することができている.今後は経時的変化を観察するとともに,さらなるvalidationとして,二重蛍光in situ hybridizationを検討している.ラットPdpnおよびSftpcに対するin situ hybridizationの知見は少ないが,Treutleinらのプロトコール(Nature. 2014)を参考に始める予定である.それに並行して,TTF-1,CCSP,Wnt7b,などの肺の分化に関わる因子の経時的変化を見るためreal time RT-PCRを施行予定であり,RNA抽出し準備段階となっている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
胎生期ラット肺の採取は問題なく施行できているが,蛍光免疫染色によるbipotential細胞の局在同定,変化の追跡に時間を要している.条件を変更することを試みつつ,二重蛍光in situ hybridization法も検討している.
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今後の研究の推進方策 |
可視的にbipotential細胞を確認することが現時点では難しく,変更を加えているが,現在の条件でFACSを行いbipotential細胞集団の比率計測およびソーティングを行い,経時的なbipotential細胞数の変化を検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
胎生ラットの肺組織採取や,蛍光免疫染色の手技習得,実践に時間を要したことと,免疫染色によるbipotential細胞の可視化が困難であり,研究の遂行に時間を要したため.未使用額の使用用途については,今後の試薬購入や,高額なMicroarray解析,in-situ hybridizaton,magnetic-activated cell sortingなどの特殊解析に計上させていただきたい.
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