Family with sequence similarity 83, member B(FAM83B)に着目した。KRAS遺伝子変異陽性原発性肺腺癌8例の検討で組織学的に粘液産生性腫瘍にFAM83Bの発現が高い傾向にあった。臨床で広く検索が行われKRAS遺伝子変異と排他的関係にあるEGFR遺伝子変異の有無で層別化した肺腺癌症例で検討するとEGFR遺伝子変異陰性症例でFAM83Bが有意に高発現であり、またEGFR遺伝子変異の有無に依らずFAM83B高発現群で術後無再発生存期間、全生存とも短く予後不良因子であることが示された。肺癌由来細胞株でのFAM83B RNAiにより増殖阻害が確認された。
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