研究課題/領域番号 |
17K16614
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
戸田 道仁 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 登録医 (70769835)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | マクロファージ分極制御 / 特発性肺線維症急性増悪 |
研究実績の概要 |
特発性肺線維症(IPF)においてマクロファージ(MΦ)は、肺線維芽細胞 の活性化に大きく影響する。炎症時にMΦは活性化し、炎症性のM1型と抗炎症性のM2型に分極することが知られている。IPFの肺組織ではM2型が優位であることから既存の抗線維薬Pirfenidone(PFD)や申請者が創出したS-Allyl glutathione(SAG)がM2型への分極制御を介し肺線維芽細胞の活性化を抑制するかを検討してきた。IPF急性増悪期では有効な治療法が確立されておらず、本研究で急性増悪期における新規治療を創出すべく検討を進めている。そのために急性増悪期モデルの確立が必須であるが、既存のマウスのIPF急性増悪期モデル(bleomycin気管内投与後にLipopolysaccharide (LPS) の気管内投与)をラットに応用して研究を開始した。文献上マウスのLPS量に相当するLPS 0.5 mg/kgをラットでも気管内投与したが死亡が続出した。そのためLPS濃度を割り振って本研究に沿ったLPS濃度を検討している。1.0、0.5、0.1、0mg/kgで検討を行い、1.0mg/ kg群では全例が死亡、0.5mg/kg群では半数が14以内に死亡したが0.1mg/kg群では全例が14日間生存した。WBC,Plt,Hydroxprolineは0mg/kg群と比較して投与24時間後に優位に0.1,0.5mg/kg群で上昇し,かつ0.5、0.1mg/kg群間に有意差を認めなった。これによりIPF急性増悪期モデルラットにおける至適LPS濃度は0.1mg/kgであることが示唆された。今後は肺水分量、CT画像、MΦ、好中球、線維芽細胞、KL-6、TGF-β、TNF-α、MCP1などでも検討を行うとともに急性増悪期モデルを使用してPFD・SAGによる急性増悪抑制効果について検討を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
IPF急性増悪期モデルラットとして、当初は既存文献の急性増悪期モデルマウス(bleomycin気管内投与後にLipopolysaccharide (LPS) の気管内投与)を参考としてをラットに応用して研究を開始した。文献上マウスのLPS量に相当するLPS 0.5 mg/kgをラットでも気管内投与したが死亡が続出した。そのためLPS濃度を割り振って本研究に沿ったLPS濃度を検討している。1.0、0.5、0.1、0mg/kgで検討を行い、1.0mg/ kg群では全例が死亡、0.5mg/kg群では半数が14以内に死亡する結果となった。このようにLPS濃度によってラット死亡が続出したためモデルの確立に期間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は急性増悪期モデルラットについて肺水分量、CT画像、MΦ、好中球、線維芽細胞、KL-6、TGF-β、TNF-α、MCP1などでも検討を行うとともに急性増悪期モデルを使用してPFD・SAGによる急性増悪抑制効果について検討を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物モデル確立に際して期間を要したため、予定されていた数の動物モデル作成を行わなかったため。次年度に行う予定
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