てんかんモニタリングユニット(EMU)入院の主目的は術前精査であるが、患者の社会復帰やquality of life(QOL)改善に直結する包括的てんかん診療が求められている。本研究では、EMU入院の心理社会的介入効果を解明することを目的とし、精査の予後と社会的転帰を検証した。その結果、EMU入院精査の患者満足度は総じて概ね高く、その意義や有用性を示す一つのエビデンスとなった。また、患者の難渋する治療の背景には、高いセルフスティグマや低い障害受容、就学・就労問題等の心理社会的問題が直接的に患者のQOLに影響していた。本研究の知見により、EMU入院の役割が根本的に拡大しうると期待される。
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