研究課題
重粒子線誘発腫瘍(海綿状血管腫および骨肉腫)の手術検体から、それぞれDNA抽出を行い次世代シーケンサーを用いて変異の解析を行った。前者では約1万4千箇所の、後者では約1万9千箇所の変異が明らかとなった。このうち腫瘍化に関連していると強く考えられたものは前者ではTYK2(7:58)・GFPT1(9:49)・SLAIN2(8:81)およびRNF139(10:92)の4遺伝子変異、後者ではMST1L(3:37)・LCK(5:38)・PRKAB2(13:142)・PEAR1(4:100)・LAMC2(13:91)・TNNT2(74:58)・PRPF40B(9:64)・HCAR2(3:77)・SHMT1(12:65)・ACLY(3:26)・DCAKD(6:68)・LUC7L3(7:64)・RBM42(5:54)・ZNF8(27:30)・HELZ2(17:67)・NF2(43:8)・TKT(5:43)・RNGTT(6:41)・PREP(8:25)・ZNF716(8:49)・ZNF735(6:347)・TTF1(18:32)の22遺伝子変異であった。変異アレルと正常アレルの比(前文括弧内に記載)を考慮すると重粒子線誘発性骨肉腫の発生にはNF2遺伝子の第8エクソン上のナンセンス変異(c.1021C>T)が強く関わっていると考えられた。過去の文献ではNF2と骨肉腫の関連はマウスでは90年代から知られていたものの、ヒト骨肉腫では2020年にホモ接合性欠失の4症例を扱った1報告があるのみであった。今後は今回明らかとなったp.Arg341*変異Merlin蛋白が骨肉腫を引き起こす機序につき腫瘍化実験などにて解明してゆく。更に今回の解析では転座や逆位などの構造異常については充分に判明できなかったため次年度以降の研究(22K09227)とも関連して本DNA検体の解析を継続してゆく予定である。
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