研究課題/領域番号 |
17K16626
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
足立 明彦 千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (60758407)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 放射線誘発腫瘍 / 重粒子線 / 体細胞変異 / 骨肉腫 / 海綿状血管腫 / tumorigenesis / 次世代シークエンサー / NF2遺伝子 |
研究成果の概要 |
重粒子線治療に伴って生じた二次性腫瘍(骨肉腫および海綿状血管腫)患者の臨床検体を用いて全ゲノム解析を行ったところ、前者では約1万9千箇所、後者では約1万4千箇所と膨大な数の変異が指摘された。 適切なInfomatics解析を行い、腫瘍形成に寄与している変異の候補として骨肉腫では22遺伝子、海綿状血管腫では4遺伝子まで絞り込むことが出来た。特に骨肉腫の22遺伝子候補のうち、NF2遺伝子の第8エクソン上のナンセンス変異(c.1021C>T)は変異アレルと正常アレルの比も43:8と高く、(重粒子線誘発性)骨肉腫の発生に強く関わっていると考えられた。
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自由記述の分野 |
脳神経外科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
重粒子線治療に附随して誘発された二次性腫瘍の発生は、極めて稀であり、患者にとって不幸なことであるが、本研究では、その解析によりTumorigenesisの原因と考えられる病態(骨肉腫症例においてはNF2遺伝子がコードするMerlin蛋白の341番目のArg残基がStopコドンに変化する変異)を同定することが出来た。 また同時に、放射線照射にてDNA障害を起こし表現型が変化した際に当該個体の組織から原因遺伝子を単離する手法はモデル生物を用いた基礎研究では一般的であるが、本研究はヒトの腫瘍においても同様の理屈が有用であり臨床に直結する結果を出せることを示した。
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