研究課題
若手研究(B)
脳卒中後に白質神経傷害(WMI)が引き起こす軽微な神経症状や続発するうつ状態は、これまで研究・治療ターゲットとしては重視されていなかった。本研究では動物モデルを用い、脳卒中後のWMIとうつ状態との器質的関連性を調査することを目的とした。マウス両側総頚動脈閉塞モデルで慢性期にWMIが惹起されたが、予想に反して自発運動の低下や学習記憶障害は発生しなかった。WMIの免疫組織学的変化や、ヒトと動物モデルの相違について更なる検討が望まれる。
脳神経外科学
脳血管障害は死亡や寝たきりなどの高度の後遺症を引き起こす重篤な疾患であるため、軽度の後遺症、特にうつ状態や高次脳機能障害は治療・研究対象としてより重要視されてはいなかった。脳血管障害による粗大な症状のみならず、後遺症が軽微に止まった症例の社会的予後の改善に、より主眼を置いた今後の研究の進展が期待される。