研究成果の概要 |
低悪性度神経膠腫(LGG)は病理学的診断と共にIDH変異と1p/19q共欠失の有無による遺伝学的分類が採用されている。ATRX変異は1p/19q共欠失と相互排他的であるため、病型分類のサロゲートマーカーとなりうるとされている。今回、遺伝学的背景が明らかな78例のLGGに対し、ATRXに対する免疫染色を行ったところ、ATRX変異をサロゲートマーカーとすると、14%の腫瘍で遺伝学的分類を誤って判断してしまい、ATRX変異単独での病型分類は適切ではないことを報告した(Yamamichi et al, Brain Tumor Pathol, 2018)。今後、更に正確で簡便な遺伝学的診断法が望まれる。
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