非常に予後の悪い悪性神経膠腫において、免疫療法は期待される治療法のひとつである。多くのがん種で、有効な成績が報告される中、悪性神経膠腫では必ずしも良好な結果は得られていなかった。T細胞受容体レパトア解析での多様性の低下、特定T細胞の活性化は、複数のがん種で予後との相関を示すとの報告が見られる。本研究での成果は、中枢神経系という特殊な免疫環境における悪性神経膠腫でも、他がん種同様の反応が期待できることを示している。本研究によって、悪性神経膠腫の免疫機構の一端が解明されることにより、ペプチドワクチンをはじめとした免疫療法の改良、開発の足掛かりとなる。
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