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2018 年度 実施状況報告書

光遺伝学を用いたマウス脳梗塞モデルにおける大脳皮質運動野―感覚野の機能連関の解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K16664
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

福井 敦  東京女子医科大学, 医学部, 研究生 (80746800)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードmotor cortex, / somatosensory cortex / photothrombosis / mouse / multi-unit activity / sensorimotor integration / neuromodulation
研究実績の概要

近年脳梗塞後片麻痺のリハビリテーションに反復磁気刺激などを使ったneuromodulationが盛んに行われている。しかし、メタアナリシスの検討では臨床的に推奨されるレベルにはまだ達していない。これまでは、脳梗塞の機能代償には脳梗塞側大脳半球と健側大脳半球間の機能的結合の調節が主に注目されていた。しかし、近年では脳梗塞側大脳半球内の皮質間結合の重要性も強調されている。実際一次運動野脳梗塞は一時的な同側の感覚障害を引き起こし、運動障害からの回復やリハビリテーションの効果に大きな影響を与える。しかしながら、その感覚障害の発生機構については不明であった。本研究では、マウスの一次運動野(vM1)に限局した脳梗塞モデルを用いて、脳梗塞後の一次感覚野(vS1)でのin vivo電気生理学記録を行った。その結果、ヒゲの触覚刺激に対する神経活動の時間分解能(Temporal coding)が脳梗塞後の急性期には、vS1の皮質全層にわたり有意に低下した。興味深いことに、亜急性期では、vM1から密な結合を受ける深い5層のみ回復を示さず他の層は回復を示した。シミュレーション実験の結果から、このTemporal codingの低下は、vM1からの抑制性入力の低下に起因することが示唆され、モデル上で梗塞後のvS1の神経活動に抑制性入力を入れると、Temporal codingは回復した。以上の結果から、運動野脳梗塞によって、vM1からのvS1への皮質間の抑制入力が低下して、Temporal codingが低下した。また、その回復過程においても、運動野との結合関係の強い深い5層と他の層では違いがみられた。運動野と感覚野の皮質間の結合関係が、感覚情報処理の神経機構回復へ影響していることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度で電気生理学的実験の神経活動やcurrent source densityの詳細な解析を終え、統計学的に有意であることを確認した。同時に実験データをまとめて、図などを作成した。現在投稿準備中である。

今後の研究の推進方策

次年度は実験成果を積極的に発表し、論文投稿を行い成果を発表する予定である。

次年度使用額が生じた理由

論文投稿準備に時間がかかってしまったため、次年度は実験の成果発表を積極的に行っていき、さらに論文の英文校正や投稿に使用予定である

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 運動野脳梗塞後の感覚野情報処理の層構造依存的な回復過程2018

    • 著者名/発表者名
      福井 敦
    • 学会等名
      第41回神経科学大会

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公開日: 2019-12-27  

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