研究課題/領域番号 |
17K16673
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松本 佑啓 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (50793725)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 生体材料 / コンビネーション製品 |
研究実績の概要 |
研究1:ステンレスピンへのアパタイトFGF コーティング作製法の確定 当研究グループの先行研究にて、アパタイトFGFコーティングチタンピンの作製法に準じて、アパタイトコーティングステンレスピンの作製を実施した。1回の作製工程にて3本のアパタイトFGFコーティングピンを作製し、作製したピンのFGF活性を評価するため、バイオアッセイを実施、2回連続合計6本のピンすべて、FGF活性を示し、既存の作製工程にて、ステンレスインプラントに対しても、アパタイトFGFコーティングが安全に実施できることを確認した。また、今後、生体利用を目標として、長期保管可能とすべく、作製したアパタイトFGFコーティングインプラントを凍結乾燥し、コーティング層の安定性に関しても確認実験を実施し、さらなる追試を実施している。 研究2:非臨床POC 取得:抗感染効果の検証とデバイスの最低保証強度・強度信頼性を明確にするWeibull 解析を用いた力学データ評価 研究1にてコーティングインプラントの安定的な作製を確認できたことから、筑波大学動物資源センターにて動物実験計画を提出、実験承認を得たころから、アパタイトFGFコーティングチタンピンを作製、日本白色家兎を実験動物として、コーティングインプラントの埋植を実施した。40羽の家兎の両脛骨に作製したインプラントを埋植、4週後に安楽殺として、抗感染効果と強度信頼性を確認する予定である。2018年4月に埋植手術を終了、4週後の5月に検体を採取して、解析実施を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究1:ステンレスピンへのアパタイトFGF コーティング作製法の確定は予定通り安定的なコFGF活性が確認されており、研究2:非臨床POC 取得:抗感染効果の検証とデバイスの最低保証強度・強度信頼性を明確にするWeibull 解析を用いた力学データ評価を行うため、動物実験を開始した。2018年4月現在、予定通りの埋植手術を終えており、経過観察期間満了後に検体採取、解析を予定している。
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今後の研究の推進方策 |
現在埋植手術を終えた実験動物の検体を解析、抗感染性・力学的安定性を確認し、今後は臨床試験に向けて、準備を進めていく計画である。また、今後臨床試験を視野にコーティングインプラントの長期安定保存方法の確立は非常に有用な検討項目である。先に臨床試験を実施しているチタンインプラントに関して、凍結乾燥・長期保存によるコーティング活性の失活状況を解析しているが、臨床試験計画を策定し、ステンレスインプラントに関しても凍結乾燥・保管期間を設定して、臨床試験(フィジビリティ試験)を計画、実施を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験が2018年4月5日に埋植手術を実施、実験動物は年度内に購入したが、手術および術後観察期間が年度をまたぎ、新年度で動物実験を終了する予定である。実験動物の飼育費用として繰り越し分は研究費の使用を予定している。
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