本研究はMRIの三次元シークエンスで撮影された画像を用いて肩甲帯周囲筋の形態と脂肪浸潤の詳細な定量解析を行い、肩甲帯周囲筋の形態を明らかにすること、画像所見から患者の正確な予後予測を行うこと、筋変性メカニズムを解明することを目的とした。対照群と比較して腱断裂が生じた筋では筋内脂肪含有率が高値、筋体積が低値を示しており、また広範囲断裂においては小円筋が代償性に筋体積高値を示していた。本研究結果は過去の知見と矛盾せず、MRIを用いて筋変性を定量的に評価することが可能であった。また陳旧性腱板断裂においては経時的に筋萎縮が進行するものの、筋内脂肪浸潤の著明な進行は生じないことが明らかとなった。
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