研究課題
平成29年度は当院で人工膝関節全置換術を行ったKellgren-Lawrence grade 4 (KL4)の末期膝OA患者(膝OA群:平均年齢76.8歳)18例18膝と膝前十字靭帯損傷再建手術または半月板部分切除術を行ったKL0,1の患者(対照群:平均年齢30.4歳)10例10膝の膝蓋大腿関節外側より関節軟骨および滑膜を採取し、SOD活性(U/mg protein)を評価した。膝OA滑膜のSOD活性は年齢との相関はなく有意に低下していたが、膝OA軟骨においてはSOD活性の有意な低下を認めたものの加齢との関連性を完全に否定することができなかった。そこで平成30年度は加齢とSOD活性の関連性を評価するため、人工骨頭置換術を施行された大腿骨頸部骨折患者(対照群:平均年齢82.64歳)14例14股と人工股関節全置換術を施行された変形性股関節症患者(股関節OA群:平均年齢70.0歳)11例11股より関節軟骨を採取し、SOD 活性を評価した。股関節OA軟骨におけるSOD活性は、大腿骨頸部骨折患者(対照群)の平均年齢は有意に高いにもかかわらず、年齢との相関はなく有意に低下していた。加齢に伴いSODは低下することが知られている。対照群の年齢に関係なく膝OAおよび股関節OA軟骨においてSOD活性の低下を認めたことから、SOD活性の低下は加齢との関係性よりもOAとの関連性が強いことが明らかとなった。
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PLoS ONE
巻: 13 ページ: e0203944
https://doi.org/10.1371/journal.pone.0203944