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2018 年度 実施状況報告書

腱における運動応答性遺伝子Mohawkによるコラーゲン成熟メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 17K16706
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

嘉山 智大  東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80793702)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード腱 / 靱帯 / Mohawk / メカニカルストレス
研究実績の概要

腱・靱帯はしなやかさと力学的強度を併せ持つことで筋・骨格を支える重要な組織である。血流に乏しく、損傷しても再生しにくいこれらの組織の再生メカニズムを解明することが腱・靱帯における様々な病態において重要である。
先行研究において腱・靱帯に特異的に発現するMohawk(Mkx)遺伝子が腱、靱帯の発生・成熟において重要であることを報告してきた。その他にもI型コラーゲンで構成される椎間板や歯根膜などの結合組織においてその重要性を明らかにしてきた。Mkxノックアウトマウスでは腱の石灰化や、菲薄化、繊維密度の低下、強度の低下などを報告している。当研究ではメカニカルストレスやMkxの欠損において、I型コラーゲンの低下、プロテオグリカンの低下を確認した。
当研究室では以前よりコラーゲンの酸化ストレスについて研究を行ってきた。Mkx遺伝子欠損や、物理刺激において腱の酸化ストレスの指標であるAGE(Advanced glycosylated end products)の定量化に成功した。本研究では腱・靱帯における酸化ストレスの影響を計測し、Mkx遺伝子によるAGE産生の影響と、これらが強度にどのような影響を及ぼすのか検討している。
その他にも腱細胞を用いて、細胞レベルでの腱の成熟促進、または成熟阻害因子を検討している。
当研究では様々な腱・靱帯の発生、恒久性の維持、再生について運動刺激や運動応答性遺伝子Mkxの影響を研究している。これらのメカニズムの解明が損傷後の腱縫合や靱帯再建に応用できることを期待している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

補助事業期間開始時期に研究施設移転(立て直し)のため、実験環境の変更による実験開始期間の遅延が生じた。
さらに、研究代表者の派遣により、研究施設から離れた勤務地での臨床業務となったことで、さらに研究環境が大きく
変わり、実験に費やせる時間が少なくなってしまった。
研究環境の変更により、条件検討に時間を要したため実験遂行までに時間要したため当初計画に遅延を生じた。
また動物実験室の利用に制約があり、効果的な動物実験は難しいと考え、他の方法での実験wお試みている。
現在大学に戻り、新しい研究施設が使用可能となったため科研費の延長を申請し、今後研究が行いやすい環境になると考える。

今後の研究の推進方策

現在行っている細胞レベルの遺伝子評価を詳細に検討していく。今後は超音波を含めた細胞刺激でのMkxを含めた、遺伝子発現の評価を行っていく。どのような条件でのI型コラーゲンやプロテオグリカンの影響を検討していく必要がある。今後効果が確認でき、動物実験が可能となれば、超音波などによる刺激で腱癒合の促進が確認できれば、臨床応用が可能であると考える。
現在AGEの評価の条件検討を行っている。この評価方法が安定し、活用できれば、メカニカルストレス刺激を加えたけんや、Mkxノックアウトマウスの腱においてのAGEの定量化が可能になると考える。それにより、腱へのストレス
の評価が可能になり、様々な実験に応用が可能となると考える。
その他にも腱や、靱帯の骨付着部・筋腱移行部を評価することを目標としている。これらの部位は間葉系幹細胞の分化の競合や共存が起こっており、どのような因子が腱、靱帯、骨、筋肉への分化を決定しているかを解明することを目標としている。

次年度使用額が生じた理由

予定していた実験が遅れたため、次年度にて研究費を使用する予定であるため。
当面はin Vivo実験に必要な試薬を主に購入している予定である。
コラーゲン解析のための試薬の購入継続、電子顕微鏡解析などの実験に必要な物品のための購入を予定している。
実験が順調であれば動物実験も行いたいと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A case of carpal tunnel syndrome caused by giant gouty tophi: the usefulness of DECT for the diagnosis, preoperative planning and postoperative evaluation of atypical cases2019

    • 著者名/発表者名
      Maeda Kazuhiro、Chino Hiroyuki、Tokashiki Tadashi、Udaka Jun、Okutsu Yuya、Yukawa Mitsuhito、Mitsuhashi Makoto、Inagaki Naoya、Osumi Hirofumi、Nagamine Yuji、Nishizawa Tetsuro、Kayama Tomohiro、Fukuda Takeshi、Fukuda Kunihiko、Ojiri Hiroya、Marumo Keishi
    • 雑誌名

      Modern Rheumatology Case Reports

      巻: 3 ページ: 165~171

    • DOI

      10.1080/24725625.2019.1596547

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Positioning the femoral bone socket and the tibial bone tunnel using a rectangular retro-dilator in anterior cruciate ligament reconstruction2019

    • 著者名/発表者名
      Hayashi Hiroteru、Kurosaka Daisaburo、Saito Mitsuru、Ikeda Ryo、Kubota Daisuke、Kayama Tomohiro、Hyakutake Takashi、Marumo Keishi
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 14 ページ: e0215778

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0215778

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] In vitroとIn vivoでの伸展刺激・運動刺激による腱・靱帯のメカノセンシング機構解析2019

    • 著者名/発表者名
      嘉山智大
    • 学会等名
      第46回日本生体電気・物理刺激研究会

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公開日: 2019-12-27  

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