研究課題/領域番号 |
17K16708
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
安藤 徹 神戸学院大学, 薬学部, 助手 (50639226)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ホウ素中性子捕捉療法 / p-borono-L-phenylalanine / 骨転移 / 前臨床研究 / 乳癌 / 肺癌 / LAT1 |
研究成果の概要 |
骨転移患者数は,抗癌剤治療の進歩に伴う予後の改善により,急増している.そこで,ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)による骨転移制御を検討する目的でp-borono-L-phenylalanine(L-BPA)投与後のBNCTを検討した. 乳癌,肺癌の骨転移モデルでの動態試験ではL-BPAを24 mg 10B/kgにて静脈投与したところ,腫瘍内10B濃度が投与後0.5-2時間まで20 ppm以上と治療を期待させる値であった.また,BNCTにおいては,照射後の発光イメージングにて輝度が減少傾向にあり,コントロール群と比較して骨破壊を抑制した.本研究より,BNCTによる骨転移巣制御の可能性が確認された.
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自由記述の分野 |
医歯薬学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨破壊に基づく疼痛管理を含めた骨転移の治療方法は確立された方法があるものの効果が乏しい場合において,治療やQOLの維持に難渋する場合もある. 本研究では,BNCTが骨転移の腫瘍成長とそれに伴う骨破壊を抑制することを明らかとしたため,主に骨破壊を抑制することによる疼痛管理にも応用できる可能性を示したといえる.特に一般的な放射線治療による疼痛抑制を終えた患者や骨破壊に対する治療である髄腔内への髄内釘手術を受ける患者に対して,BNCTを応用することでさらなる疼痛緩和や手術の回避ができる可能性を持つ.これらのように骨転移患者に対して新たな治療法を提供しうることを示した点に本研究の意義がある.
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