研究実績の概要 |
TNF(Tumor Necrosis Factor)-αは、多彩な生理活性を有する炎症性のサイトカインである。活性化されたマクロファージやT-cellから産生され、炎症反応、脂質代謝、血液凝固カスケード、アポトース等を介して、生体の恒常性維持に役立つと考えられている。我々の研究チームは、神経膠細胞のひとつであるミクログリアから産生されたTNF-αが脊髄後角における二次ニューロンを活性化させ、神経障害性疼痛を発症していることを明らかにした。 絞扼性神経損傷モデルにT0TNFSRを投与すると、機械刺激性アロディニアと温熱性痛覚過敏反応の経時的変化により痛みが抑制され、TNF-αの発現が増加した。 TNF-αを標的とした遺伝子治療を行うことにより、脊髄後角における活性酸素は増加し, 下流シグナルと考えられているpC/EBPβ(phosphorylation CCAAT/enhancer binding protein)の発現が減少することが明らかとなった。
|