研究課題/領域番号 |
17K16715
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
飯田 高史 旭川医科大学, 医学部, 助教 (40468442)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | CPEB / オピオイド / モルヒネ / アロディニア / 活性酸素 / ミトコンドリア |
研究実績の概要 |
ミスマッチCPEB+0.9%NaCl(コントロール),ミスマッチCPEB+モルヒネ、アンチセンスCPEB+モルヒネ、アンチセンスCPEB+0.9%NaClの4群を作成し、各群での機械性アロディニア、温熱性痛覚過敏反応の比較をおこなった。本研究では脊髄クモ膜下腔内に留置したカテーテルからモルヒネおよびオリゴデオキシヌクレオチドの投与をおこなったが、薬剤投与後に軽度麻痺を生じる個体が散見された。当初は塩酸モルヒネによる脊髄への毒性なども考慮したが、ミスマッチCPEB+0.9%NaCl群でもこれらの所見を認めたことから、カテーテルの挿入による技術的な問題や薬液投与による容量負荷が繰り返しおこなわれることが原因であると結論づけ、モデルの作成を再考することとした。まず留学中使用していた固定具と、現在使用している固定具ではラットの頭部と脊椎のなす角度がことなり、これがモデル作成に難渋する理由であると考え調整をおこなった。容量による負荷を軽減する目的で、薬剤の投与間隔を当初の12時間から24時間に変更した。結果としてミスマッチCPEB+モルヒネを反復投与した群はコントロール群に比べて、機械的刺激域値が低下した。さらにアンチセンスCPEB+モルヒネを投与した群では、コントロールとの間に有意差を認めなかった。温熱性痛覚過敏反応においてもミスマッチCPEB+モルヒネを反復投与した群はコントロール群に比べて域値の低下を認め、アンチセンスCPEB+モルヒネ群はコントロール群との間に有意差をみとめなかった。免疫染色においてはgoat anti-CPEB(1:100; Santa Cruz Biotechnology)によるCPEBの条件設定をおこなっている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
カテーテル挿入後は問題なかったものの、モルヒネ投与期間中に四肢に軽度麻痺をきたすラットが多く、モデル作成に難渋したことが遅れの理由である。軽度麻痺を生じているラットでは機械刺激性アロディニアに対する反応で一定の傾向が得られにくいため、VonFrey testで安定したデータを得るまでに時間を要した。また免疫染色においても、新たに購入した光学顕微鏡の操作に慣れるまでに時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
免疫染色におけるCPEBの染色を引き続きおこない、同時にウエスタンブロット法も行なっていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
モデル作成に難渋し、免疫染色およびウエスタンブロッティングで各群有意差が出ていない状況であり、成果発表に至らず次年度使用額が生じた。平成30年度は前年同様、試薬・抗体購入費、実験器具等、成果発表に使用する。
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