細胞移植治療の効果を判定可能なモデル確立を第一に行った。坐骨神経に一定の圧力を加えたラット(クリップ群)で神経障害性痛治療薬が著明な効果を示した一方、抗炎症性鎮痛薬は無効であった。坐骨神経運動機能指数の評価では、クリップ群では1日後から2週間後まで運動機能低下を示した。障害部位と後根神経節における免疫組織化学的検討により、軸索障害と脱髄を確認した。ラットシュワン細胞を障害部位へ移植したところ当初明らかな効果を示さなかったが、より強い圧力でクリップ障害を作成したところ、細胞移植により有為な痛覚過敏の改善が認められた。 以上により、細胞移植が神経障害性痛の新たな治療法となりうることが示唆された。
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