術中呼吸・循環管理指針策定に向けた大規模データベースの構築

2017 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 17K16728
• 研究機関: 京都大学
• 研究代表者: 深川 博志 京都大学, 医学研究科, 助教 (00742991)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2020-03-31
• キーワード: 周術期 / データベース / 合併症 / バイタルサイン

研究実績の概要

2017年度は、研究代表者が所属する施設において2008年以降に行われた麻酔科管理症例のデータベース化を行なった。しかしながら、本研究の主要な目的である呼吸循環パラメータの情報をデータベースに含める作業が難航しており、現在呼吸循環パラメータのデータベース化、およびアウトカムのデータベース化を順次進めている。一部症例では呼吸循環パラメータのデータベース化に成功しており、データベースに基づいて術中尿量と術後急性腎障害発症との関連の調査、また術中の血圧と術後急性腎障害発症との関連についての検討を行っている。
2018年度には電子麻酔記録システムから効率よくデータを抽出する方法が確立できる見込みであり、2018年度中には呼吸循環パラメータ、および手術患者のアウトカム（在院死亡、１年生存、在院日数）のデータベース化を完了したいと考えている。
現在取り組んでいる呼吸循環パラメータデータベースの構築が完了したら、この大規模データベースを用いて術中の呼吸・循環変動が予後に及ぼす影響を明らかにし、患者予後の改善につながる呼吸・循環管理指針の策定に寄与するような研究を行なっていきたいと考えている。
研究者らは術後の様々な合併症の中で急性腎障害に着目し、術後急性腎障害の発症と関連する呼吸循環変動を明らかにしていきたい。具体的には、慢性腎障害を有する患者において急性腎障害発症を予防するためにはより高い血圧を維持する必要があるという仮説を検証する。

現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2017年度は、研究代表者が所属する施設において2008年以降に行われた麻酔科管理症例のデータベース化を行なった。しかしながら、本研究の主要な目的である呼吸循環パラメータの情報をデータベースに含める作業が難航しており、現在呼吸循環パラメータのデータベース化、およびアウトカムのデータベース化を順次進めている。一部症例では呼吸循環パラメータのデータベース化に成功しており、データベースに基づいて術中尿量と術後急性腎障害発症との関連の調査、また術中の血圧と術後急性腎障害発症との関連についての検討を行っている。

今後の研究の推進方策

2018年度には電子麻酔記録システムから効率よくデータを抽出する方法が確立できる見込みであり、2018年度中には呼吸循環パラメータ、および手術患者のアウトカム（在院死亡、１年生存、在院日数）のデータベース化を完了したいと考えている。
現在取り組んでいる呼吸循環パラメータデータベースの構築が完了したら、この大規模データベースを用いて術中の呼吸・循環変動が予後に及ぼす影響を明らかにし、患者予後の改善につながる呼吸・循環管理指針の策定に寄与するような研究を行なっていきたいと考えている。
研究者らは術後の様々な合併症の中で急性腎障害に着目し、術後急性腎障害の発症と関連する呼吸循環変動を明らかにしていきたい。具体的には、慢性腎障害を有する患者において急性腎障害発症を予防するためにはより高い血圧を維持する必要があるという仮説を検証する。

次年度使用額が生じた理由

データベース構築のための電子麻酔記録システムの改変が難航し、2017年度中に行うことができなかった。