研究課題/領域番号 |
17K16728
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
深川 博志 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (00742991)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 呼吸 / 循環 / データベース / 周術期 |
研究実績の概要 |
2020年度は、研究代表者が所属する施設において2008年から2019年までに行われた麻酔科管理症例のデータベース化を行ない、周術期大規模データベー スの構築については呼吸循環パラメータ、および手術患者のアウトカム(在院死亡、1年生存、在院日数)のデータベース化を完了した。 2021年4月時点では、この大規模データベースを用いて術中の呼吸・循環変動が予後に及ぼす影響を明らかにし、患者予後の改善につながる呼吸・循環管理指針の策定に寄与するような研究に着手している。予後に影響を及ぼし得る術中の呼吸・循環パラメータの候補として血圧、心拍数、呼気終末二酸化炭素濃度、気道内圧などを想定している。現在は、特に注目するべきパラメータとして呼気終末二酸化炭素濃度に着目しており、これが患者予後や臓器障害に及ぼす影響を検討している。また、この呼気終末二酸化炭素濃度が心拍出量を非侵襲的に推定する指標として利用できる可能性があると考えており、今後術中の呼気終末二酸化炭素濃度と心拍出量との関連についての検討を進めたいと考えている。 また、おなじデータベースを用いて呼吸機能検査を始めとする術前の検査データと患者予後との関連を明らかにし、患者リスク評価におけるこれら検査データの有用性を検討したいと考えている。様々な術前検査データの患者予後や合併症予測における有用性を明らかにすることで、術前検査の適応や解釈に影響を及ぼす知見が得られると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
患者情報システムからの大規模なデータ抽出は技術的に難しく、実行に時間を要した。このために研究計画全体が大幅に遅れていたが、データ抽出は完了しすでにデータ解析および論文執筆に入っている。
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今後の研究の推進方策 |
呼吸循環パラメータ、および手術患者のアウトカム(在院死亡、1年生存、在院日数)のデータベース化は完了し、また、研究者の所属部署内でも研究チームを組織し迅速な解析を行う体制ができた。現在鋭意解析と論文執筆を進めている。引き続きデータ解析と論文執筆を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ肺炎対応のため本研究の解析が計画通り進められなかった。
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