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2018 年度 実施状況報告書

β遮断薬はICU-AWを予防しうるか

研究課題

研究課題/領域番号 17K16729
研究機関京都大学

研究代表者

瀬尾 英哉  京都大学, 医学研究科, 助教 (40782652)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード敗血症 / 筋萎縮 / β遮断薬 / IL-6
研究実績の概要

マウスの骨格筋芽細胞株C2C12を用いて、培養骨格筋細胞の培養系を構築した。マウス由来筋芽細胞であるC2C12は2%ウマ血清培地で培養することで培養骨格筋細胞に分化したことを光学 顕微鏡およびQPCRを用いて確認した。筋細胞に分化誘導したC2C12に、敗血症モデルとしてLipopolysaccharide (LPS) 投与を行い、αβアドレナリン受容体アゴニストであるエピネフリンを添加し、筋細胞への影響を検討した。結果、LPSによってユビキチンリガーゼであるAtrogin-1は上昇するが、エピネフリンを添加することでさらなる上昇を認めた。メカニズムを検討したところ、エピネフリンはLPSにより増加するIL-6を更に増加させることで、Atrogin-1を誘導し、筋萎縮を増悪させることがわかった。加えて、β遮断薬はこの反応を減弱することから、β刺激が筋萎縮を増悪させる可能背が示唆された。敗血症時、カテコラミン過剰は筋萎縮に大きく関与する可能性がある。本研究結果はこれまで不明であったICU-AWの病態解明し、未だ確立されていないICU-AWの治療戦略の発見につながるかもしれない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

C2C12において、LPS刺激により安定した反応を得るのに時間を要した。当初の実験計画において予想とは異なる結果を認めたことから実験計画を再検討が必要であり、現在安定的な実験系を樹立することができている。また、当初は計画していなかった分子生物学的機序の検討を行っており、新たな実験系が必要であり、時間を要する。

今後の研究の推進方策

現在、現象としての筋萎縮が進行するメカニズムの一端を発見するに至っている。今後は新たな実験系の樹立が必要であるが、分子生物学的機序の解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

現在、所属機関において人的リソースが不足しており、研究以外の業務負担が増加している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] マウス由来筋芽細胞においてエピネフリンはLPS刺激によって誘導されるIL-6とAtrogin-1 mRNAの発現量を増大させる2018

    • 著者名/発表者名
      松川志乃、甲斐慎一、鈴木堅悟、瀬尾英哉、福田和彦
    • 学会等名
      第46回日本集中治療医学会学術集会

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公開日: 2019-12-27  

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