術後認知機能障害(POCD)は、手術侵襲による脳内炎症が原因の一つとされており、術後QOL 低下などと関連し問題となっている。POCDに対して術前の運動が有効である可能性が示唆されているが、困難な患者も多い。本研究では、運動で増加する蛋白PGC-1αを誘導する物質ALAを投与することで、運動と同等の効果をもたらしPOCD を予防出来るかを検討した。結果、高齢ラットで術前にALAを投与することで、PGC-1α増加および海馬BDNF増加を認めた。さらに術後7日目で認知機能保持、海馬TNF-αの低下を認めた。以上よりALA投与により脳内炎症を抑制し、POCDを予防することが出来ることが示された。
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