日本の主な死因別死亡統計において、肺炎が脳血管疾患を抜いて第3位を占めるように至った。この背景には、高齢化社会や医療の高度化に基づく免疫不全患者 の増加、抗菌薬の汎用による多剤耐性菌蔓延が深く関わっている。これら肺炎の主な起炎菌には、緑膿菌に代表されるグラム陰性桿菌やMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)などが含まれる。そこで、新たな方法で病原性細菌に対抗して免疫力を高める予防法や、従来の抗菌薬には頼らない方法で病原性のメカニズムに対抗できる新しい治療法の開発が強く求められており、今回その一部を解明し得た。
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