急速に進む高齢化と手術適応の拡大に伴い、高齢者の手術件数は増加の一途をたどっている。高齢者では若年者に比べ術後合併症の頻度が高く、中でも頻度が高い術後合併症の1つがせん妄である。しかしながら、現状では、術後せん妄発生の予測および予防法は十分とは言えない。本研究では、“術後せん妄患者では概日リズムが変調をきたしている”と仮説を立て、青色光に対する対光反射によりせん妄の評価と予測ができるかについて検討した。予想に反してせん妄出現症例が少なく、現在も研究は進行中である。現在のところ、せん妄患者に明らかな青色光に対する対光反射異常は観察されていない。
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