脳部位特異的にH1受容体が欠損したマウス(H1KO)が吸入全身麻酔薬に対してどのような感受性を示すか検討したところ、特定の脳部位においては野生型と比較して高い感受性を示す傾向があったが、統計学的に有意な差を認めなかった。神経細胞特異的H1KOとアストロサイト特異的H1KO における行動薬理学実験を実施しところ、神経細胞特異的またはアストロサイト特異的H1KOは共に吸入麻酔薬からの回復が延長した。このH1受容体による覚醒制御には、視床下部に存在するある神経核からの神経投射が関与していることが示唆された。
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