研究課題/領域番号 |
17K16755
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
麻酔科学
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
菅澤 佑介 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (80459114)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 虚血 / ATP感受性Kチャネル / 再灌流障害 / 吸入麻酔薬 / NMDA受容体 / モノカルボン酸トランスポーター / プレコンディショニング |
研究成果の概要 |
セボフルランの臓器保護作用にKATPチャネルが重要な役割を担うとされる。本研究では低酸素誘導性EPSP増大に対するセボフルランのKATPチャネルを介した効果を検討した。ニューロンはエネルギー枯渇時、神経膠細胞から供給された乳酸をエネルギー源とするため、乳酸のEPSPへの影響も併せて検討した。セボフルランは低酸素誘導性EPSP増大を抑制しKATPチャネル阻害薬はその作用を消失させた。セボフルランが乳酸輸送体であるモノカルボン酸トランスポーター阻害薬投与群において酸素・グルコース存在下でもEPSP増大を抑制しなかったことからセボフルランの効果にモノカルボン酸トランスポーターの関与が考えられた。
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自由記述の分野 |
麻酔薬の分子薬理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
周術期合併症として低酸素血症や臓器虚血があるが、手術症例が高齢化する日本において脳虚血が危惧される症例は今後増加していくことが予想される。脳血管障害の予防のために術中の厳密な血圧管理や脳組織酸素化モニターなどが臨床の現場では行われているが、その迅速な発見や予防は現状では難しい。本研究では臨床現場で頻用される吸入麻酔薬セボフルランの脳に対する臓器保護作用について検討し、セボフルランの脳保護効果がKATPチャネルを介した作用機序であることが示された。さらに、セボフルランの効果にモノカルボン酸トランスポーターの関与が考えられた。セボフルランは全身麻酔での手術中に中枢神経保護作用を示す可能性がある。
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