スチリペントールのLDH阻害作用に着目し、脊髄L5神経切離により作製した神経障害性疼痛モデルマウスを用いてスチリペントールの鎮痛効果を検証し、以下の知見を得た。 1.スチリペントールは神経障害性疼痛に対して鎮痛効果があることが明らかになった。 2.スチリペントールの神経障害性疼痛に対する作用機序は、LDH阻害によることが示唆された。 3.神経障害性疼痛の発現維持にアストロサイト-ニューロン乳酸代謝経路(astrocyte-neuron lactate shuttle; ANLS)が関与していることが示唆された。 以上より、スチリペントールが、新規の機序を有する神経障害性疼痛治療薬として使用できる可能性が考えられる。また、神経障害性疼痛の発現・維持にANLSが関与していることから、さらなる創薬の開発に発展し、神経障害性疼痛患者のQOLの向上につながることが期待できる。
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