今回の研究により、糖尿病の病態メカニズムの1つとしてAGEsがマクロファージに取り込まれることによりはじまる炎症反応の経路が明らかとなった。具体的には、AGEsをマクロファージが取り込む機序にCD204が関与していることが確認された。AGEsの取り込み機序が解明されたことにより、スカベンジャー受容体の1つであるCD204が糖尿病の病態を抑えるための新たな介入ポイントの候補となりうる可能性が認められた。また、この取り込み機序を抑制する物質として、海藻由来のフコイダンを発見した。これらの成果は、今後糖尿病のさらなる病態解明や新たな治療法の検討の一助となる可能性がある。
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