前立腺癌診断においてPSA検査の特異度が低く、過剰診断、過剰治療が問題となっている。前立腺癌鑑別だけでなく悪性度を正確に反映するバイオマーカーの必要性が高まっている。近年、尿中の糖転移酵素の発現検出やレクチン-抗体法によるPSA 癌性糖鎖変異の検出法が前立腺癌鑑別および悪性度評価に寄与する可能性が示されている。本研究では、前立腺圧出尿中においてGalα1-3/4Gal糖鎖を認識するPA-I-Lレクチンに反応性を有する糖鎖変異PSAの前立腺癌鑑別精度が(AUC 0.8131)と既存PSA検査よりも診断精度が有意に高く、前立腺癌の診断に寄与するバイオマーカーとなり得ることが示唆された。
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