腎盂・尿管癌の診断において、尿細胞診は中核となる診断法の一つであるが、その感度は低く、進行度との相関関係も低いとされている。近年、CT urographyが腎盂・尿管癌診断の第一選択とされてはいるが、CISや小径腫瘤では偽陰性の危険性が高い。また、尿管鏡検査も癌の検出、確定診断に有用であるとされているが、尿管鏡下腫瘍生検の癌確定における陽性的中率は決して高いものではない。さらに約60%が発見段階で、局所進行性もしくは転移性であることが多く、予後不良の疾患であり、早期発見が極めて重要である。尿細胞診を凌駕する低侵襲な腎盂・尿管癌診断マーカーの実用化は治療効果向上につながる可能性がある。
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