近年、進行性腎癌に対する新規治療薬の開発が進んでいるものの、その効果は限定的であり、治療抵抗性を獲得する分子経路の解明が不可欠であると考える。我々は、分子標的治療薬治療後の剖検検体から、「治療抵抗性腎細胞癌マイクロRNA発現プロファイル」を作成し、癌組織で発現が変化しているマイクロRNAを同定した。これらマイクロRNAが制御する分子ネットワークを探索した結果、癌の転移に関与する遺伝子を同定した。これらのマイクロRNAが標的とする遺伝子はTCGA(the cancer genome atlas)のデータベースから腎細胞癌において予後不良因子であることが確認された。
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