研究実績の概要 |
当教室で過去に得られたゲノムDNAのうち非モザイク47,XXYと診断されている56例の検体を対象とした。56例のうち解析に十分なゲノム量がある50例につき、まず8例でバイサルファイト処理を行った後にメチル化特異的PCR法を用いてXIST遺伝子のメチル化の状態を確認した。XIST遺伝子はX染色体不活性化の中心的役割を果たす遺伝子として知られており、46,XY男性においてはメチル化は認めず、46,XXや47,XXYにおいてメチル化を起こすことが知られている。8例全例においてXISTのメチル化が確認され、47,XXY由来のゲノムDNAであることが確認された。引き続きChungらが2006年に報告したX染色体不活性化を回避する7つの遺伝子につきメチル化の状態を解析した。コントロールとしてillustra GenomiPhi DNA Amplification Kitをもちいて完全非メチル化DNAの調整を行い、同サンプルをCpGメチラーゼ酵素処理することで完全メチル化DNAの調整を行った。完全非メチル化DNAの確認にはXISTのメチル化が消失していることで確認した。7つの遺伝子(VBP1, TIMP1, TIMM17B, CACNA1F, MAOA, SUV39H1, TLR8)のそれぞれにつきプライマーを設計しメチル化特異的PCRを行っているが、コントロール(完全メチル化DNA)で増幅が安定せず、バイサルファイト処理およびプライマー設計、PCR条件の調整を行っている。
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