前立腺癌においてアンドロゲン応答遺伝子であるTMPRSS2と、転写因子であるERG遺伝子の転座は、前立腺癌症例の約50%に認められ、予後規定因子である。今研究では、アンドロゲン受容体(AR)が核内でfociを形成することから、AR fociでTMPRSS2/ERG遺伝子の接近がおこるかを検討した。免疫染色とFISHを組み合わせて、関係性を検討したが、アンドロゲンにてTMPRSS2/ERG両遺伝子の接近はみられず、AR fociへの接近も見られなかった。ARと協調的に働くBRD4が転座に影響するかも検討を行ったが、BRD4阻害薬であるJQ1でも両遺伝子の距離に変化は認めなかった。
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