研究課題
若手研究(B)
前立腺肥大症(BPH)は高齢男性に多い疾患で、排尿困難、頻尿など、様々な排尿に関係する症状を呈する。しかしながらその発症機序は明らかとなっていない。本研究では、BPHの増殖過程において、自然免疫系の一つである「補体」の活性化が関係していることを新たに証明した。さらに、補体の活性化には自身の前立腺組織内の4分子の存在が関与していることも分かった。この分子を標的とした新規治療薬の開発が期待される。
前立腺肥大症
前立腺肥大症(BPH)の発症機序については、今まで男性ホルモンであるアンドロゲン、炎症、虚血などの関与が報告されてきたが、本研究は免疫系の一つである補体の関与を示した点で、独創性に満ちた研究と考えられる。現在、臨床の場では、既存の内服薬に抵抗性を示すBPH患者も多く存在する。そのような患者にとって、本研究の結果は、新たな治療標的の発見及び治療薬の開発に寄与するものであり、一つの光明を呈する成果と言える。