研究実績の概要 |
マウスiPS細胞由来樹状細胞を誘導するために胎仔Balb/cマウス由来線維芽細胞株balb/3T3にセンダイウイルスベクターを用いてSox2, Oct3/4, Klf4, L-mycを遺伝子導入し、MMC処理したSNL-feeder細胞上でiPS細胞を誘導した。Colonyを形成した細胞集団をpick upし、2i-LIF mediumで培養しiPS細胞を継代維持した。樹立したiPS細胞については幹細胞マーカーとしてSox2, Oct3/4, Nanog, Ssea1の発現をRT-PCRで確認した。Dnajb8強制発現iPS細胞を得るためにDnajb8を強制発現したbalb/3T3細胞(balb3T3/DNAJB8)をDNAJB8 cDNAを含むレトロウイルスベクターを用いて遺伝子導入し、puromysinで選択して強制発現株を樹立した。Dnajb8の発現はRT-PCR、western blotで確認した。樹立したbalb3T3/DNAJB8に前述と同様にSox2, Oct3/4, Klf4, L-mycを遺伝子導入し、DNAJB8を強制発現するbalb/cマウス由来iPS細胞を作成し、幹細胞マーカーの発現をRT-PCRで確認した。Dnajb8 mRNAの発現についてもRT-PCRを用いて誘導したiPS細胞について確認したが、Dnajb8を強制発現しないiPS細胞にも幹細胞マーカーとしてのDnajb8の発現を認めたが、Dnajb8強制発現iPS細胞株についてはベクター特異的なプライマーを用いて遺伝子導入したDnajb8が強制発現していることを確認した。強制発現Dnajb8は分化しても消失しないため、今後、Senjuらの報告と同様に樹状細胞への分化誘導を行い、Dnajb8発現iPS細胞由来樹状細胞を誘導し、まずはin vitroの免疫実験を進める予定である。
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