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2018 年度 実績報告書

難治性前立腺癌におけるMUC1を中心としたシグナル伝達の制御による新規治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 17K16814
研究機関東海大学

研究代表者

長谷川 政徳  東海大学, 医学部, 講師 (50383823)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード前立腺癌 / 去勢抵抗性 / ferroptosis / ドセタキセル / GPX4 / MUC1
研究実績の概要

我々は乳癌における先行研究でMUC1が細胞内ROS環境を整えることで、鉄依存的な過酸化した脂質の蓄積によって細胞死をきたすferroptosisを抑制していることを報告した。本研究では、去勢抵抗性前立腺癌において、MUC1を標的としたドセタキセル(DTX)耐性去勢抵抗性前立腺癌に対するDTX感受性の改善、およびferroptosisを介した新規治療戦略を確立することを目的とした。
ホルモン感受性前立腺癌細胞株LNCap、去勢抵抗株C4-2、そして新規に樹立したDTX耐性去勢抵抗株C4-2AT6の3種類の細胞株を使用した。ferroptosis誘導を阻害するグルタチオンペルオキシダーゼ4(GPX4)の阻害剤であるML210、RSL3の2剤を使用した。
MUC1発現はLNCap<C4-2<C4-2AT6であった。MUC1の発現上昇とともに癌シグナル伝達経路であるPI3K/AKT経路においてp-AKTの発現上昇、およびアンドロゲン受容体の発現上昇を認めた。次に、C4-2AT6においてsiRNAを用いてMUC1をノックダウンしたところ、p-AKTの発現低下を認めた。また、MUC1をノックダウンしたC4-2AT6のDTX感受性を検討したところ、DTXの殺細胞効果が増強され薬剤耐性が改善されることを確認した。RSL3、ML210を投与すると、C4-2においてはferroptosis誘導による殺細胞効果を認めなかったのに対し、C4-2AT6においては著明な殺細胞効果を認め、MUC1をノックダウンすることで、さらに殺細胞効果が増強された。
MUC1を標的とし制御することは、DTX耐性を有した前立腺癌細胞に対してDTX感受性を回復させ、MUC1依存性が高い状態においてferroptosisが誘導されやすく、MUC1は新規治療戦略の対象として期待された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 去勢抵抗性前立腺癌における膜結合型ムチンタンパク1(MUC1)を標的とした新規治療戦略2019

    • 著者名/発表者名
      長谷川政徳 茂田啓介 菊地栄次 大家基嗣 宮嶋哲
    • 学会等名
      第28回泌尿器科分子・細胞研究会
  • [学会発表] 難治性前立腺癌におけるMUC1を中心とした分子ネットワーク制御による新規治療戦略2018

    • 著者名/発表者名
      長谷川政徳 小坂威雄 茂田啓介 宮嶋哲 大家基嗣
    • 学会等名
      第34回前立腺シンポジウム

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公開日: 2019-12-27  

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