研究課題
膀胱がんは大別すると、筋層非浸潤がん(Non-Muscle Invasive Bladder Cancer:NMIBC)と筋層浸潤がん(Muscle Invasive Bladder Cancer:MIBC)に分けられ、その治療予後は大きく異なる。腫瘍組織が粘膜層を超えて筋層に浸潤しMIBCとなってしまうと、より集学的な加療が必要となり5年生存率も約50%(StageⅡ:約63%、StageⅢ:約46%)と予後も悪くなる。転移を有しStageⅣとなると5年生存率は約15%であり、現在も抗がん剤化学療法以外に有意に予後を改善し得る治療ターゲットはほとんど示されていない。我々は、進行性膀胱がんにおいてBUB1の発現レベルが有意に上昇している点に注目し、本研究においてBUB1の分子生物学的な機能解析を実施、さらに治療への応用の可能性を明らかにしようとしている。現在までに、臨床検体を用いた解析により、BUB1発現レベルが、各種がんにおいてpositiveに予後と相関することを発見しているだけでなく、chemo-resistanceに関与しているデータを得ている。これらのデータよりLuciferaseを導入した膀胱がん細胞株をもちいて、Orthotopic xenograft modelを構築し、腫瘍量を定量化できる実験系でphenotypeのvalidationを進めている。また、BUB1による抗がん剤耐性獲得機構においては、現在までに報告のみられていない機序の可能性も発見しており、この解明により新たな新規治療開発の可能性を目指し、研究を進めている。
2: おおむね順調に進展している
申請時の計画通りにおおむね進行している。
BUB1による抗がん剤耐性のあらたな機序が明らかになりつつある実験結果を得ており、今回の研究をさらに発展させた内容で新規に次回研究計画を作成する予定である。結果はすべてを統合したデータを論文化したいと考えている。
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