研究実績の概要 |
movo遺伝子の完全のノックアウトマウスは胚性致死となる為、本研究ではコンディショナルノックアウトマウスの作製を試みた。Stra8-Cre,Neurogenin3-Cre(理研BRC 吉田松生教授から御供与)とovol2/movo-floxマウスを交配することでovol2/movo-cKOマウスの作出を試みてきたが、これらのドライバーマウスではovol2/movoの完全な欠失を認めなかった。追加の検討により、movo遺伝子は精原細胞のより早期の段階で発現していることが明らかとなった為、Nanos3-Creトランスジェニックマウス(国立遺伝学研究所 相賀裕美子教授から御供与)を用いた交配を行い、ついにovol2/movo-cKO マウスの作出に成功した(未発表)。これは今後のmovo遺伝子の機能解析を行っていくうえで非常に有意義な成果であると考えている。今後は次の段階として、Ovol2/MOVOが精子形成過程において果たす機能とその役割を明らかにすることを目的として研究を進めたいと考えている。さらにヒト精巣組織を用いた解析も行っていく段階である。本研究の成果は精子形成障害の診断と治療法の開発に貢献できると考えている。
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