PCOSは、不妊症のみでなく、2型糖尿病、高脂血症などの代謝異常や、子宮体がん、さらには妊娠高血圧腎症、妊娠糖尿病などの周産期合併症の増加に関連するが、病因の詳細は不明である。PCOSの基本症状は、多嚢胞性卵巣、排卵障害、無月経、高アンドロゲン血症、下垂体ゴナドトロピン分泌異常であり、これらに着目した病態の解析や対症療法が行われてきた。しかし、本疾患の根本的な治療法の開発には至っていない。今回は、複数臓器のエピジェネティック変化に着目した解析により、新規治療標的候補を同定した。これらを対象とした治療法開発により、不妊症のみならず、女性のQOL向上に役立つ可能性がある。
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