研究課題
卵巣高悪性度漿液性癌(HGSOC)の卵管上皮起源説が注目されている。我々は以前に、癌化に必要な3つの遺伝子異常(p53/KRAS/c-Myc or Akt)を同定し、卵管采上皮不死化細胞株を用いたin vitro発癌モデルを構築し、発癌初期病変であるSerous tubal intraepithelial carcinoma (STIC) におけるシグナル異常の同定を行い、 卵管采への排卵時の卵胞液による刺激がHGSOC発癌の初期段階に関与していることが示唆された。2019年度は、申請者はSTICsの有無で卵巣癌の発生母地が異なる可能性があると考え、HGSC症例において全エクソン解析を行い、STICsの有無による遺伝子プロファイルやHRDの有無の比較検討を通して、漿液性卵巣癌発生における分子機構の解明を目的とした。2019年度は全エクソン解析の臨床研究「次世代型統合的がん診断システムの精度向上のために、約1万症例の全エクソン解析を行い、日本人がんゲノムデータベースを構築する研究」を立ち上げ、所属施設以外からの多数の症例を解析できる体制を構築した。また、STIC検索のために、所属施設においてHGSOC症例においては全例で卵管采の全割によるSTIC検索を行える体制を構築した。現在症例登録は順調に進んでおり、今後HGSC症例における全エクソン解析を用いたSTICsの有無による遺伝子プロファイルの比較検討が進めていける状況となった。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 8件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 8件) 図書 (1件)
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