腫瘍微小環境下におけるCD8 T細胞の抗腫瘍活性は、代謝不適合により制限されると考えられる。そこで我々は、抗腫瘍活性におけるCD8 T細胞内グルタミン代謝の役割について、担がんマウスを用いた解析を行った。低グルタミン(dGln)培養した腫瘍特異的CD8 T細胞を養子免疫したところ、通常培地(Ctrl)で培養した細胞に比べ、効果的な腫瘍排除と担がんマウス生存率の改善が見られた。また、腫瘍浸潤CD8 T細胞におけるPD-1の発現低下とKi67陽性率の増加が見られたことから、生体内でのCD8 T細胞疲弊の抑制が考えられた。これらの結果、抗腫瘍活性におけるグルタミン代謝の重要な役割が明らかとなった。
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