研究実績の概要 |
本研究は最終的に妊娠高血圧症候群を発症した妊婦に対し、妊娠初期血清の代謝産物の網羅的解析を行うことで、妊娠高血圧症候群発症予知となるバイオマーカーの探索を行うことを目的とする。 平成29年度はエコチル調査の福島ユニットセンター登録の妊婦から、早発妊娠高血圧症候群発症妊婦(Case: n=12)と母体背景を調整した非妊娠高血圧症候群妊婦(Control: n=12)を抽出した。 福島ユニットセンターにおける37週未満の早産率は5.5%、癒着胎盤は0.2%、妊娠高血圧症候群は2.5%、早発妊娠高血圧症候群は0.3%の発症率であった。 母体背景に関しては、妊娠初期採血時の妊娠週数、母体年齢、母体身長、妊娠前体重、妊娠前BMI、妊娠初期における収縮期血圧、妊娠初期における拡張期血圧、HbA1c (NGSP)値、喫煙状況に2群における差は認めていない。妊娠帰結として分娩週数(Case群 vs Control群、33.8週 vs 38.2週、p<0.01)、Standard deviation of birth weight (0.7 vs -1.5, p< 0.01)と有意な差を認めている。 現在Case, Control群の初期採血におけるメタボローム解析が終了した段階である。
|