研究実績の概要 |
本研究は最終的に妊娠高血圧症候群を発症した妊婦に対し、妊娠初期血清の代謝産物の網羅的解析を行うことで、妊娠高血圧症候群発症予知となるバイオマーカーの探索を行うことを目的とする。 平成30年度はエコチル調査の福島ユニットセンター登録の妊婦から、早発妊娠高血圧症候群発症妊婦(Case: n=12)と母体背景を調整した非妊娠高血圧症候群妊婦(Control: n=12)を抽出した。母体背景は、妊娠初期採血時の妊娠週数、母体年齢、母体身長、妊娠前体重、妊娠前BMI、妊娠初期における収縮期血圧、妊娠初期における拡張期血圧、HbA1c (NGSP)値、喫煙状況を調整した。メタボローム解析の結果、166(カチオン108、アニオン58)の代謝産物が同定された。代謝産物のHeatMap,主成分分析では2群間に明確な代謝産物の傾向の相違は認めなかった。個々の代謝産物については、妊娠初期血清においてMunic acid, N,N-Dimethylglycine, S-Methylcysteineが2群間に有意差を認めた代謝産物となった。
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