研究課題
初年度にnormal immortal keratinocytes (NIKS)にHPV11とHPV16を導入し、恒常的にHPVが発現しているNIKSの作製に成功した。さらに各々のHPV初期遺伝子と複製の関連を検討するためE1/E6/E7 deficient HPV11とHPV16をNIKSに導入し、7days assayを行った。HPVを導入したNIKSをday1からday7まで培養し細胞を回収、AllPrep DNA/RNA/Protein Mini Kitを用いてDNA、RNA、タンパク質を抽出した。抽出したDNAから定量PCRにてゲノムコピー数を測定した。E6とE7 deficient HPVではHPV11、HPV16ともにday7でゲノムコピー数が維持されたのに対し、E1 deficientHPVではHPV11、HPV16ともにday7でゲノムコピー数の減少が認められた。HPV11、HPV16ともに宿主細胞の密度依存性にE1依存性の複製からE1非依存性の複製へ移行していることが分かった。次にHPV11E6、HPV11E7、HPV16E6、HPV16E7を発現させたNIKSにHPV11を導入し、7days assayを行った。すると、全ての細胞株でHPV11ゲノムの維持が認められた。HPV11E6とE7は、HPV16E6、E7と同様の機能を有していることが分かった。7days assayで回収した細胞からRNAを抽出しE6の発現を確認した。HPV16ではE6はday1からday7まで発現しているのに対し、HPV11ではE6の発現を認めなかった。これらの結果よりHPV11とHPV16においてE6とE7の機能に差を認めるのではなく、発現に差を認めることが明らかになった。再現性を高めるためにHPV18(高リスク)を用い同様な実験を行い、HPV16と同様の結果を得た。
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PLOS Pathogen
巻: May 13;15(5) ページ: -
10.1371/journal.ppat.1007755