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2017 年度 実施状況報告書

胎児発育不全の原因としての胎盤性モザイクのインパクトについての検討

研究課題

研究課題/領域番号 17K16870
研究機関昭和大学

研究代表者

宮上 景子  昭和大学, 医学部, 助教 (40459178)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード胎児発育不全 / 胎盤生モザイク
研究実績の概要

胎児発育不全(FGR:fetal growth restriction)は妊娠の5%程度に起こり、妊娠中には子宮内胎児死亡のハイリスクであり胎児の厳格な評価が必要で、出生後においても児の精神運動発達遅滞などの合併症を生じる要因として重要な疾患である。FGRの原因には胎児因子、胎盤因子、臍帯因子及び母体因子があり、胎盤因子の一つに胎盤性モザイク(confined placental mosaicism: CPM)がある。胎盤性モザイクは胎児の染色体は正常核型であり、胎盤の一部もしくは全部において染色体異常を認める場合を指す。胎盤性モザイクの多くは妊娠初期の絨毛検査で染色体異常が指摘された後に羊水検査で胎児の正常核型が確認された場合に診断されるが、現状では、他の方法で検査することはできない。
我々は母体血漿中胎児由来のcell-free DNAの大部分が胎盤に由来していることに着目し、この胎盤性モザイクを出生前に検出するための方法でFGR症例における胎盤性モザイクの寄与率を明らかにすることを目的に本研究を行う。
方法としては原因不明の胎児発育不全症例に対して母体血漿中からcell-free DNAを抽出し、次世代シークエンサーで解析して胎児(胎盤由来)の染色体異常の有無を妊娠中に確認する。胎盤性モザイクが疑われた症例においては胎盤の複数個所からの染色体分析を行い、胎盤性モザイクの有無を最終判定する。このような研究を通して、妊娠中の羊水検査、母体血漿中cfDNAからのCPMの予測が産後の胎盤、臍帯組織染色体検査における確認検査と比較してどの程度信頼性があるかの評価も行ない、臨床検査としての妥当性を報告する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在までに検討できた症例については、胎児発育不全症例の母体血漿中cfDNAによる次世代シークエンサーを用いた解析結果と分娩後の胎盤染色体分析結果は概ね一致している。ただし、羊水染色体検査を希望されない妊婦も多く、また分娩後の胎盤染色体検査まで完遂できない症例もあり、目標症例数を満たしていない。

今後の研究の推進方策

目標症例数獲得を目指し、妊娠中の羊水検査、母体血漿中cfDNAからのCPMの予測が産後の胎盤、臍帯組織染色体検査における確認検査と比較してどの程度信頼性があるかの評価も行なって臨床検査としての妥当性を報告する。

次年度使用額が生じた理由

今回の研究では、NGS解析の結果を受けて、CPMが疑われる症例に対し、研究費を用いて出生児、胎盤に対して染色体解析およびマイクロアレイ検査を行う。今後も多くの症例を集めて検討を行う予定であり、そのための費用が多くを占める予定である。
研究成果は、適宜国内学会、国際学会で発表する予定であり、その費用もかかる見込みである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 母体血漿中cfDNA解析による重症胎児発育不全の原因としての胎盤生モザイクの検索2018

    • 著者名/発表者名
      宮上景子
    • 学会等名
      第70回日本産科婦人科学会学術講演会

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公開日: 2018-12-17  

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