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2018 年度 実績報告書

卵巣癌進展におけるLSRの病態生理学的機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17K16882
研究機関高知大学

研究代表者

平松 宏祐  高知大学, 医学部附属病院, 特任助教 (10650591)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2019-03-31
キーワード卵巣癌 / 脂質代謝 / LSR
研究実績の概要

・LSRの下流シグナルと脂質の関連の検討
これまでLSRのリガンドとしてリポタンクの一つであるVLDLを投与し、LSR陽性細胞に対するその増殖促進効果を検証してきたが、LSR陽性細胞が必要とする脂質分子を明らかにするために複数の脂肪酸を投与した。アラキドン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸は
LSR陽性細胞の増殖を促進しなかったが、オレイン酸 (OA) とエライジン酸 (EA)は増殖を促進した。続いてLSR siRNAを卵巣癌細胞株に導入し、LSRをノックダウンした細胞を作成し、これにOAとEAを投与した。その結果OAはLSRノックダウン後もLSR陽性細胞の増殖を促進したが、EAは促進しなかった。このことからEAはLSRを介して細胞増殖を促進することが判明した。その経路としてはEAによるATP産生の増加が考えられる。EA投与後にLSR陽性細胞内の脂質を蛍光色素で染色すると、EA投与により細胞内脂質が増加した。さらにEA投与後に細胞内ATP値を測定すると、EAによりATP産生が増加していた。以上からEA投与により細胞内脂質が増加し、β酸化、TCAサイクル、電子伝達系の活性化を経てATP産生が増加し、細胞増殖につながると考えられた。また卵巣癌の臨床的な特徴として腹膜播種があるが、EAが卵巣癌細胞の遊走を促進することを発見した。
・LSRと増殖の関係
上記の様に、LSRは脂肪分子を細胞内に取り込み、そのエネルギーを増殖や遊走に利用しているが、さらに詳細なメカニズム探索のために、LSR陽性細胞にLSRに特異的なsiRNAを導入しLSRノックアウト株を作成した。この細胞からタンパクを抽出しウェスタンブロット法にてタンパクの発現変動を検証すると、MAPKが抑制されていることが判明した。現在、関連する他のタンパクの発現を確認中であるが、LSRはMAPKを介して増殖に関連している可能性がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] LSR promotes lipid metabolism via beta oxidation and contributes cell viability in epithelial ovarian cancer2018

    • 著者名/発表者名
      Kosuke Hiramatsu, Satoshi Serada, Minoru Fujimoto, Shinya Matsuzaki, Yutaka Ueda, Kiyoshi Yoshino, Tadashi Kimura, Tetsuji Naka
    • 学会等名
      AACR annual meeting 2018
    • 国際学会
  • [学会発表] LSR promotes lipid metabolism and contributes cell viability in low glucose environment in epithelial ovarian cancer2018

    • 著者名/発表者名
      Kosuke Hiramatsu, Satoshi Serada, Minoru Fujimoto, Shinya Matsuzaki, Yutaka Ueda, Tadashi Kimura, Tetsuji Naka
    • 学会等名
      IGCS 2018
    • 国際学会

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公開日: 2019-12-27  

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