研究課題
頭頸部扁平上皮癌の中で免疫原性が高いとされる中咽頭癌に的を絞り、旭川医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科で新規に治療した2010-2014年の24症例の検体で免疫組織化学染色にてリン酸化p53の発現を検討した。その結果、約半数にあたる13/24例(54%)でリン酸化p53が陽性であった。total p53は過去の報告と同様に18/24(75%)で陽性であった。これによりリン酸化p53を癌免疫療法の標的とする妥当性が示唆された。頭頸部扁平上皮癌を含む各種悪性腫瘍細胞株にてリン酸化p53が発現しているかウエスタンブロット法にて検討した。また、抗腫瘍薬(シスプラチンやドキソルビシン)にてリン酸化p53の発現量が上昇することが確認された。過去に報告されているp53のヘルパーエピトープシークエンスを参考にして、リン酸化p53のヘルパーエピトープペプチドを選定した。選定したペプチドを用いて、健常人の末梢血単核球から分離したCD4陽性T細胞を刺激したところ、リン酸化p53を特異的に認識する(野生型のp53には反応しない)T細胞クローンが誘導された。
2: おおむね順調に進展している
研究計画における昨年度の目標は、ほぼ達成されていると考えられる。
平成29年に行った研究の継続と、平成30年度の研究計画に沿って研究を進行していく。
購入計画と実際の注文に齟齬があった。次年度は計画に沿った試薬の購入を行う。
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