研究課題
前年度には頭頸部扁平上皮癌の中でも免疫原性が高いとされる中咽頭癌の患者組織において、今回対象としているリン酸化p53の発現が半数以上で陽性であることを確認した。さらに頭頸部扁平上皮癌を含む各種悪性腫瘍細胞株にてリン酸化p53が発現しているかウエスタンブロット法にて確認し、抗腫瘍薬(シスプラチンやドキソルビシン)にてリン酸化p53の発現量が上昇することが確認された。さらに、ヒト頭頸部扁平上皮癌細胞株をヌードマウスに移植したゼノグラフトモデルにおいて、シスプラチン処理投与により腫瘍細胞のリン酸化p53タンパクの発現増強がみられた。リン酸化p53に特異的に反応するヘルパーT細胞クローンの誘導に成功し、これらのクローンと腫瘍細胞株を共培養すると、上清中にTh1サイトカインであるインターフェロンガンマ、細胞傷害活性を持つサイトカインであるGranzyme Bの存在が確認された。これらのサイトカインは抗腫瘍薬の添加により優位に増加し、HLA-DR拘束性であることが示された。頭頸部扁平上皮癌患者末梢血から分離したPBMCをリン酸化p53ペプチドで刺激することで、ペプチド特異的な反応が確認された認められた。これにより、頭頸部扁平上皮癌患者末梢血中にも、,リン酸化p53ペプチドに反応するT細胞分画が存在することが示された。
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Oncoimmunology
巻: 9 ページ: e1466771
10.1080/2162402x.2018.1466771